物流アウトソーシングと中小企業の物流DXの課題に挑む
■こんにちは!安田です!!
最近、物流アウトソーシングが企業の競争力向上の一助として注目されています。その中でも物流DX(デジタルトランスフォーメーション)については、補助金や各地方自治体の助成金など様々な支援策が進められています。特に中小企業にとっては、効率的な物流DXを進め、さらに物流運営を実現するための重要な手段となります。しかし、物流業界におけるDXはまだ道半ばであり、多くの中小企業が様々な課題に直面しています。この記事では、物流アウトソーシングのメリットを検討しつつ、中小企業が物流DXを進める上での課題と解決策について考察します。
■物流アウトソーシングのメリット
物流アウトソーシングには多くの利点があります。まず、専門知識と技術を持つ外部企業に物流業務を委託することです。物流業務は基本的に専門性が高く、ノウハウや経験を持つ物流会社に任せることで、より効率的かつ効果的に業務を進めることができます。その結果コスト削減につながる可能性があります。
さらに、物流業務を外部に委託することで、自社のコア業務に集中できるというメリットもあります。例えば、製造業であれば、製品の開発や生産にリソースを集中させることができます。また、自社で物流に関する保管場所や人員を抱える必要がないため、業務の波動や変動にも柔軟に対応できると考えられます。
■中小企業が抱える物流DXの課題
物流DXは、物流業務の効率化と顧客サービスの向上を目指すものであり、デジタル技術の導入が不可欠です。しかし、中小企業にとって物流DXにはいくつかの大きな課題があります。
1. 初期投資の負担
物流DXを推進するためには、ITインフラの整備やシステム導入が必要です。これには多額の初期投資が必要であり、中小企業にとっては大きな負担となります。特に、既存のシステムとの統合やカスタマイズが必要な場合、そのコストはさらに増大します。
2. 人材の不足
物流DXを進めるためには、ITに関する専門知識を持つ人材が必要です。しかし、中小企業ではこうした専門人材を確保するのが難しい現状があります。特に、物流業務とITの両方に精通した人材は希少であり、競争も激化しています。
3. 業務プロセスの変革
デジタル技術の導入は、単なるシステムの導入に留まりません。業務プロセスの全面的な見直しと改革が求められます。しかし、長年の業務慣習を変えることは容易ではなく、社内の抵抗も考えられます。
〇解決策と取り組み
物流業界の中小企業がこれらの課題を克服するためには、どのような取り組みが必要でしょうか。神谷商店が考える解決策をいくつか紹介します。
取り組みその1:外部の専門企業との協力
物流アウトソーシングは、中小企業が物流DXを進める上で有効な手段です。物流DXに詳しい専門業者を活用し、自社の物流DXを進めることでスムーズな導入が可能です。
取り組みその2:公的支援を活用
政府や地方自治体は、中小企業の物流DXを支援するための様々な助成金や補助金を提供しています。これらを活用することで、初期投資の負担を軽減できます。また、専門家によるコンサルティングサービスや研修プログラムを活用することで、人材の育成を図る事も可能です。
取り組みその3:社内コミュニケーションの強化
物流DXを成功させるためには、社内の理解と協力が不可欠です。新しいシステムやプロセスの導入に際しては、従業員に対する説明会や研修を実施し、理解を深めてもらうことが重要です。変革の目的やメリットを明確に伝えることで、社内の抵抗を減少させることができます。
取り組みその4:小規模からの段階的導入
一度に大規模なDXを行うのではなく、小規模なプロジェクトから段階的に進めることも有効です。特定の業務プロセスや部門からデジタル化を開始し、その効果を検証しながら徐々に範囲を拡大する方法です。これにより、リスクを最小限に抑えつつ、確実にDXを進めることができます。
■神谷商店が進めている物流DX
神谷商店が物流DX化を進める上での問題とその解決策について、物流担当者の山本さんとの対談形式で話を伺いました。
▶戦略的パートナーシップの構築
山本「物流DXを成功させるためには、自社だけでなく専門企業と信頼できる関係を結ぶことが重要です。」
安田「実際に自社だけで完結できない理由は何ですか?」
山本「まず、物流の専門家はいますが、システムを構築できる専門家がいないこと。次に、業者が提供する倉庫管理システム(WMS)では柔軟性に欠け、使いづらいと感じることがあります。」
安田「なるほど。そこで信頼できる業者とパートナーシップを組み、自社の使いやすいシステムを構築する必要があるのですね。」
山本「そうです。そうしないと、物流DXに投資しても生産性や効率、品質が向上しない可能性があります。」
▶WMSとHHT(ハンディ端末)で物流DXの実施
山本「安田さんは物流業務についてどんなイメージを持っていますか?」
安田「通常の入出庫管理や翌日の準備、トラックへの積み込みなどですかね?」
山本「そうですね。基本的な業務としてはあってますが、詳しく話すと物流業務は常にお客様優先で考えているので、突発的なオーダーにも柔軟かつ流動的に対応することが求められますがその反面業務を柔軟かつ流動的に対応するために現状では作業者の能力に依存する部分が大きく、それが作業の属人化につながっています。」
安田「それなら、物流DXを導入することでその問題を解消できるのではないでしょうか?例えば、WMSとハンディ端末を連携させてリアルタイムに倉庫状況を把握し、誰でも同じ効率で作業ができるようにすることです。」
山本「その通りです。物流業務は常に変化するので、品質を落とさずサービスを提供するために、中小企業こそ物流DXを行う必要があります。」
▶継続的な改善
山本「物流DXは一度で完了するものではありません。正直な話をすると、物流DXを行うにもその業務に従事する作業者が必要になります。現在の人員だと一気に改善するための人員の確保が難しく、継続的な改善が必要となります。」
安田「なるほど、現場では、通常業務を行いながら、物流DXの改善に取り組んでいくんですね!さらに継続的にPDCAサイクルで行動・改善し新しい技術や手法を取り入れることが重要になるんですね。」
山本「物流DXの担当者としては、常に改善を行いながら最新の技術やトレンドに常にアンテナを張り、サービスの向上を積極的に学び続けることが目標です。」
安田「山本さん、ありがとうございました!これからも一緒に物流DXや物流アウトソーシングを頑張りましょう!」
■まとめ
物流アウトソーシングと物流DXは、中小企業にとって重要な課題です。これを乗り越えることで競争力を高めることができます。物流DXの推進には初期投資や人材の確保といった課題がありますが、公的支援の活用や段階的な導入、社内コミュニケーションの強化などの取り組みを通じて克服できます。
神谷商店としては、戦略的パートナーシップの構築、データの活用、柔軟な対応力、継続的な改善といった視点を持ち、物流アウトソーシングと物流DXを効果的に活用していくことが必要だと感じています。物流DXを行うことで、中小企業の物流業務を効率化し、顧客サービスの向上を実現することができるとかんがえます。
これからも、中小企業が抱える物流DXの課題に立ち向かい、物流アウトソーシングを積極的に活用することで、未来に向けたサステナブルな成長を目指しましょう。